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防災だよりDisaster prevention Information

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2021年9月号
 前回、「自分のできることをやる!これだけのこと。自分のやれることを決めておくということです」と締めくくりました。『決めておく』これが自分にできる『姿勢の防災教育』というものです。決して難しいものではありません。「自分で決めておく」その決めたことを実行する。ただ、これだけのことなのです。それでも、何をどう決めて、どのようにすればよいのか判らないという方々に『決めるための姿勢』について一緒に考えていきましょう!
 まずは、決めるためには、大切なことがあります。『興味を持つこと』です。ところが次のような意見を聞きました。「防災には、あまり興味が無いんです」 と。確かに興味もないのに、テレビを見ても本を読んでも話を聞いたとしても眠くなるだけ「対岸の火事」と考えてしまい、記憶には焼き付きません。重要なのは「記憶に焼き付けること」です。なぜなら、緊急時に命を守るためのハッキリした答えが出せるだけの正しい記憶を持っておかなければなりません。その為に『興味を持つこと』が重要なのです。その興味を持つためには、どうすれば良いのでしょうか。子どもの頃、勉強・スポーツ・アートなどに興味を持ちはじめる切っ掛けと同じ心の動きだと考えられます。興味とは、『知識の増加やポジティブな情動(一時的で急激な感情)』などの個人の特性に関連した興味 と、『学習状況や学習内容』などの状況に関連した興味の2つに大きく分類されます。この2つには共通点があり『個人の“特性と状況”との相互作用』によって生まれ出るものです。特に初めて興味が湧く「初発興味」は、何か特定の出来事が引き金となる『あの時、あの瞬間』といった一瞬で生まれる「引き金型」なのか、それとも時間と共に徐々に生まれ出る「非引き金型」なのか?それ故に「こうすれば興味が湧く」という決まった答えが無いようです。
 ところが道ばたにあるクローバーを見つけると、自然と「四ツ葉のクローバーがないかな?」と探してしまう人が多いようです。なぜでしょう?ここに「興味を持つヒント」が隠されているのではないか?なぜ多くの人は四ツ葉のクローバーを探してしまうのか?ほとんどの人の答えは!「見つけると、おっ!と少しの驚きと、微笑み笑顔になり、ちょっぴり幸せを感じ、ほんの少しうれしくなる温かさを感じるから」と答えが返ってきます。ここには「四ツ葉のクローバーを見つけるアンテナ」を普段から心の中で無意識に張り巡らしているからに違いありません。なぜそうなるのかといえば、多くの人は「幸せを感じたい」という心理が、常に存在するからだと考えます。ならば!興味を持つ意識の延長線上に幸せを感じ取れるものを置けば良いだけ。なのでイヤなものではなく、大好きなもののために興味を持つ。そう考えると、イヤな災害が発生するから災害のためにネガティブな防災を行うのではなく、自分の大切な人、自分の大切なもの、自分の目標、自分の夢を叶えるなどというポジティブな防災をやろうと考えれば良いのです。そうすれば、それらを守り・叶える行動の延長線上に、ほんの少し防災を置くだけで良いのです。
 災害にあわないために防災をやろうなどと考えると、できもしないことやとんでもない過剰なことまでの備えをしようと考えてしまい、結局は「できないな」と諦めてしまうことになります。
 「自分の夢を叶えるため」には、こんな学びやこのような技術を習得したいとワクワクしながら時間を忘れて、自分で調べ目指すゴールへの設計図を描きます。その夢を叶える大切な歩みの一歩一歩を、災害ごときに邪魔されないために、その設計図にあなたが必要とする防災の学び(邪魔が入っても払いのける防災力)を少しだけ加えれば、自分の学びや技術が向上するほどに、あなたの防災力(備える心)も向上します。
 防災力(備える心)は、他人から色々といわれても、興味が無ければ記憶に焼き付きません。でも、自分の夢を叶える『一助』と考えれば、自分の夢を叶える目的のために、きっと覚えておいても損はないと考えられるようになります。だって、ワクワクする夢の設計図の中のひとつになり、間違いなくあなたに役立つことになるからです。
 さて、あなたが「何を決めておく」かは、あなたにしか判りません。あなたの歩みを邪魔されないために、明日笑顔で夢に向き合うために、今すべきことは『あなたにしか判らないのです』。ある人がこんな話をしてくれました。「私が決めていることは挨拶をすることです。これが私のできる楽しい防災ですからね(笑)」と。「できることをやる」「できることからやる」。あなたひとりでやるのではなく、周囲の人と足りないものを隠さずに情報発信すれば「補い合う心」が生まれ、そうすることで本来の防災の持つ力「共生・多様性・調和」という生き抜く力が自然と身につくはずです。「決める!」一緒に考えてみましょう。
 ・・・つづく