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テキストで直接読める「防災だより」

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2023年2月号
 2023年2月号の音声読み上げができます。
 「防災にコミュニティが不可欠」であることは、日頃から耳にタコができるほど聞かされているのではないでしょうか?
では、なぜ「防災にコミュニティが不可欠」なのでしょう?
この問いに答えをスムーズに述べられる方は少ないように感じています。
また、ダラダラと説明するのではなく「ひと言で答える」となると、ほぼいらっしゃらないのが防災の世界での現状です!
にもかかわらず「防災にコミュニティが不可欠」だと説いている人が多いように感じます。
多くの人は「防災にコミュニティが不可欠」という言葉はご存じのようですが、しかしながら何故!不可欠なのかを理解されていないように考えます。
 自分が理解できていないことを他者にいくら伝えても、聞き手の心には到底響かないばかりか、人の命に関わるという大切なことなのにも関わらず、何の影響も与えない。
これでは『地域防災』より小さな単位の『家庭防災』も築きあげることはできません。
大切なことは、まず「自分が正しく理解すること」です。
 では、逆に考えて「コミュニティが無ければ防災はできない」のでしょうか?
そんなことはありません!
コミュニティが無くても防災活動は可能です。
自分ひとりだけでも活動はできるものです。
であるならば!「地域での防災」と「個人の防災」は違うものなのでしょうか?
ひょっとすると「目指すべき目的の拡大」で説明できるのではないかと考えます。
 『地域を守ることができれば、自分を守ることができる』という考え方よりも、『自分を守るきることができれば、地域を守りぬくことができる』と考え方を変えることです。
地域・家庭・個人だけではなく、企業・組織・チームといった目指すもの(目的・目標・夢)が違うものに、一網打尽方式で『防災』を伝えようとすると無理が生じます。
これは「全国一律の防災活動」となってしまうことで、行う防災活動に大きな疑問を抱いてしまい防災活動が継続しないということが発生してしまいます。
まずは、自分が目指すものを遂行するために、何をしておけば良いのかを学んでおくことで、継続力がアップします。
 また、地域・家庭・企業・組織・チームというグループも、スタートラインは「個人」です。
その各個人が防災を学び、防災活動をやれているならば、単純にそのグループは、防災力が高く、多様性のある防災力を有するグループだといえます。
そのグループの運営方法は、時代遅れの産物である「トップダウン」ではいけません。
継続力も薄く多くの大切なもの(能力・個性・特技等々)を失うことになってしまいます。また、トップダウン方式は、自分ができないことを棚に上げ、他人に責任をなすりつける悪しき慣習・風習であり、新しい意見、斬新な考え方、個人の有する特技を聞き逃し見逃すことになってしまいます。
そこで組織運営方法を学び直すことをオススメします。
学び直しはとても簡単な意識改革です。
それは多くの人が小学生の頃から学んできたものです。
それぞれが意見を出しあい→「+」
身勝手なこと(私利私欲)を取り除き→「-」
力を合わせて(団結)→「×」
歩み寄る(平均化)→「÷」
生み出される答えは「=」ではなく
近似値→「≒」(ニアリーイコール)
この近似値「≒」が『お互い様』なのです。
組織運営は「 + - × ÷ ≒」で考えること。
これがトテモ大切なのです。
 また、組織運営は責任出席や強制というものでは、良質な組織運営はできません。
『想い』を同じくするものが、自分の住むエリアを暮らしやすく過ごしやすい環境にするという共通の目的で形成するものであり、その最小単位は『家族』、その最小単位において心地良い家庭づくりから住みやすい地域へとコミュニティという組織の輪を広げるとトンデモナク強靱なコミュニティ(組織)ができあがります。
例えば、コミュニティのひとつに『まち・町・街』というものがあります。
『まち・・・』は何を意味するのでしょうか。
耐震・制震・免震のハイテクノロジーの建物がいくつできあがっても、人が誰も住んでいなければ、ハイテクの街ではなく廃屋なのです。
そう考えると「人」が住んでこそ「まち」と呼べるのではないでしょうか。
個人が集まり、意見を出しあい、住みやすい環境を創りあげていくこと、これこそが「コミュニティ」であり、そこには近似値「≒」という「お互い様の心」が組織力を自然と強靱化していくと考えられます。
 さて、防災や災害の為だけにコミュニティが不可欠なのではなく、コミュニティとは、自分が幸せな人生を送る為に、自分が一歩あゆみ入れ、自分が創り出す、とても大切な必需品であると考えられます。
その生み出されたコミュニティには、笑顔があふれる清い空虚感が、多くの人を引き寄せ、更なる笑顔の集合体を創り出すパワーを持つことになります。
「参加したくなる」そんなコミュニティを創りあげていきましょう。