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テキストで直接読める「防災だより」

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2023年3月号
 2023年3月号の音声読み上げができます。
 脳科学では「喜怒哀楽。心が強く揺さぶられたときの強烈な情報は、脳が重要と判断し記憶に残る」との研究結果があります。
ところが人間は、心を守る為に脳が不要とする記憶は忘れるようにできています。
言わば「喉元を過ぎる」ということです。
不要な情報・忘れたい情報は覚えなくてよいのですが、厄介なのは「トラウマ」になり脳裏に焼き付いてしまう情報もあるのです。
なので、自分が必要だ・不要だと考えることが大切です。
防災活動は、自分が生きる為の必要な情報と考えて、より強く記憶に刻み込まれることで日常的に「構え・備え」が当たり前にできるようになります。
その為にもプラス思考で防災を考える生活防災の基本スタイルが重要な「備えのアイテム」になります。
 では『生活防災』とは何なのでしょうか?
生活防災とは、 日常生活の延長線上に防災を置くことであり、特段これぞ防災だ!と行うものではないのです。
普段通りの買い物!その中で日持ちのするものを少し余分に買う。
大量の備蓄品を買うのではなく、毎回少し増やす。
それらを買っては食べ、食べては買い足すローリングストックもそのひとつです。
また『生活防災』は人それぞれ考え方や活動方法は違っても良いものです。
日常(平時)の中で、自分のできることをできる範囲でプラスすることを目指します。
これは決して、災害の為だけにやるものでもないということと、日常にはない、平時ではやらないようなことをするものでもありません。
生活防災は災害の為だけに行うものではなく、日常生活側にウエイトを置くことです。
日常やっていることが災害時にも役立ったとするものです。
何でも良いのです。
これでなければならないとか、そんなことは役に立たないとか他者が決めるものではありません。
自分が少しだけ自信を持って「やれる。動ける」活動・知識・スキルなのです。  生活防災のコンセプトは『防災を防災と語らずとも、防災の役割を果たすこと』です。
声高に防災!と語らなくても、身の回りで自然と防災活動になっているものが多い生活習慣です。
日常ではやらないようなことを覚えようとするよりも、自分の持っているスキルをどのように役立つのかを考えてみることです。 その為にも、日常生活から離れず、生活の中で大きく役立つことを探してみましょう。
これをしていたら何かが起こったときに『やってて良かったぁ』と思えるようなことです。
 生活防災の具体例として、お風呂の水もそのひとつ。
お風呂に入り、風呂水を翌朝まで流さない。
翌朝に洗濯用水として利用し節約になる。
でも、この間に何か起これば、風呂の水を他の生活用水(断水時トイレ水等)として利用できます。
しかし、「カビがはえやすくなるから、風呂の水は貯め置きしないのだ」という、これもその人の覚悟を持った考え方でよいのです。
 ゴミの分別もそのひとつ。
普段ゴミ捨てに行く人は 分別は当たり前、ところが普段しない人は戸惑いがあります。
大切なことは、戸惑う人は当たり前に行える人にレクチャーしてもらえばよいのです。
「教えて頂けますか?」「ありがとう」。
これがとても大切な言葉のキャッチボールとなり、日常生活の輪が広がります。
これが生活防災のバージョンアップに欠かせないもののひとつ「人との出逢い」です。『人は人との出逢いで進化します』。
自分の更なるステップアップは他者との出逢いです。
挨拶から始まり、会話、そこから生み出される新たな思考によって数秒前の自分から進化した自分が出現します。
できなかったことができるようになるのです。
 生活の中に『利便性+危険回避=生活防災』というプログラムを創りあげましょう。
利便性というお得感と危険回避という防災力。
この2つを組み合わせ両方の恩恵を受ける手法「ハイブリッド防災システム」です。
これを自分の生活文化に組み込み「毎年・毎月・毎週・毎日」と単位を小さくできれば、最高の生活防災システムが完成します。
それに少しの『興味力』というスパイスを加えます。
日常の中で、自分の周囲で何がどのように起こっているのかを考えるアンテナ「興味力」を高めましょう。
皆様もこんな経験があるのではないでしょうか?
道ばたにクローバーを見つけたとき「四つ葉はないかなぁ」と探してしまいませんか?
これが生活防災力に繋がるのです。
『四つ葉』は探そうとしない人には探し出せないのです。
「いや、偶然でも見つかるよ」というご意見もあるでしょう。
でも偶然ではダメなのです。
必然にしなければならないのです。
過去の教訓から「これをやっていたから助かった」というお話しが沢山あります。
生活防災には、とても大切な当たり前なことがあります。
自分の命は自分で守る努力をしているか?ということです。
その当たり前のことに、赤信号は渡らない。車
に乗ったらシートベルトをする。
駅では黄色ラインより線路側は歩かない。
マナーやルールを守ることも、危機回避から生まれたもののひとつであり、身を守る必然を手に入れる方法なのです。
その為にも皆さん!楽しく防災活動を一緒にやっていきましょう。