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テキストで直接読める「防災だより」

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2022年08月号
 2022年08月号の音声読み上げができます。
 皆さんは『防火管理者』という言葉をお聴きになったことがありますか?あなたの職場や様々な施設には防火管理者という人がいます。私たちが住むこのグリーンシティにも防火管理者はいます。えっ、知らなかった?ですか。今回は、防火管理と防火管理者についてお伝えをします。
 防火管理者とは、多数の者が利用する建物などの「火災等による被害」を防止するため、防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に行う責任者のことです。消防法では、一定規模の防火対象物の管理権原者(会社では社長等、マンションでは管理組合の理事長)は、防火管理有資格者の中から防火管理者を選任し、防火管理業務を行わせなければならないと法律で定められています。が!これは特別な人が特殊な資格や能力をもって行うものではありません。誰もが『防火管理者講習』を受講すれば、誰でもが担うことのできる制度です。会社組織等であれば『防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にある人』が専任されます。ところがマンション(法令用語では共同住宅)では、管理権原者(管理組合の理事長)が居住者(理事長本人を含む)・管理会社・防火管理を委託できる会社から、防火管理者を選任します。その防火管理者を選任しなければならない防火対象物(様々な施設や建物)は、その用途に応じて火災危険等を考慮して『消防法施行令別表第1』というもので区分されています。防火管理の実施や消防用施設などの設置に関する基準はこの用途区分によって決められているのです。また、それらの防火対象物(様々な施設や建物)でも更に『特定防火対象物』と『非特定防火対象物』のふたつに区分されています。
 『特定防火対象物』には、カラオケボックス・映画館・劇場・遊技場・飲食店・百貨店・マーケット・ホテル・病院・福祉施設・公衆浴場・地下街等々であり、不特定多数の人が利用する建物などで、火災発生時に避難等が困難であると予想される施設であり、火災の発生危険や火災が発生した場合の人命危険を考慮して指定されています。  『非特定防火対象物』は、学校・図書館・博物館・神社・寺・教会・工場・駐車場・倉庫・共同住宅(以後、マンションと表記)など、特定の人が利用する建物のほか、図書館、船や駅の待合室なども含まれます。
 『特定防火対象物』では、収容人員が30人以上(入所型福祉施設は10人以上)の場合、防火管理者を選任して、消防計画の作成・届け出を行い、防火管理上必要な業務を実施しなくてはなりません。
 『非特定防火対象物』では、収容人員が50人以上の場合、防火管理者を選任して、消防計画の作成・届け出を行い、防火管理上必要な業務を実施しなくてはなりません。(なお、収容人員とは建物に出入りし、勤務・居住する人数を指します)
これらは過去の火災により、多くの死者や負傷者を出したことによる教訓を厳しく伝え、火災の発生を未然に防止し、また一旦発生した火災から被害を最小限に止めるためにハードおよびソフト対策を駆使して自主的に防火活動を実践することを防火管理といい、また、防火管理は「自らのところは自ら守る」という自主的な活動ですから、決められた誰かがやる・役員や担当者がやるというものではなく、その施設にいる人が区別なく一丸となって『出火防止、初期消火、火災通報、避難誘導』などの活動に加わり、被害を防ぐように努めなければならないと決まっています。会社等では、防火管理は業務の大切なひとつですが、マンション等では「自分は関係ないな」と考えたり、自分は無償(タダ)では防火管理者になりたくなく、無償で担ってくれる人を叱責する考え間違いをする人(給与制有償化を目論む人)もいるのが、全国的に見受けられるマンション防火管理の現状だといわれています。
 そうなんです!マンションに住む限りは、分譲・賃貸に関係なくすべての人が防火管理を担う意識を持つ必要があるということです。誰かがその任を担ってくれる施設ではないことを肝に銘じなければなりません。みんなで災害に強いまちを創る意識を持ち、維持管理する活動を共に担う心を持たなければならないのです。でもマンションを買う時には、販売会社からそんな難しいことを伝えられていないのが現状です。
 グリーンシティは築後30年以上を経過、この間に防火管理者をボランティア(無償)で担ってくださっていた方々には心より感謝申し上げます。『消防計画の作成や届出・消防訓練の立案と実施・日常の防火管理』今後もそのボランティアの精神は引き継ぎます。
 さて、今までは一般公開しなかった『消防計画』(消防署届出書)を居住者の方にも見て頂きたくHP上に設置しました。ご覧頂き、共に私たちのまちを災害に強いまちにできるようご理解ご協力賜りますようお願い申し上げます。
 今回、消防署に提出分の「加古川グリーンシティ消防計画」は、下のQRコード読み取りで閲覧可能です。