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2023年1月号 |
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今回も『自助・共助・公助』について考えます。 そもそも何故「自助」をしなければならないのでしょうか? 答えは人それぞれ違うのかも知れませんが、言い換えれば「何故、自分は生き抜く必要があるのか」という問いになります。 では、あなたは何故「生き続けたいと願う心」を持っているのでしょうか? きっとそこには「自分はこうありたい、自分はこうしたい」という『目標や夢』があるからではないでしょうか。 誰もがイヤだと考える災害ごときに自分の『目標や夢』を邪魔されたくないと考えるから、自分の身を守る「自助」が必要なのではないかと考えられます。 ならば、あなた自身の生きるストーリー(人生目標)に現れる伏線のひとつが、あなたを襲う災害であるのだと考えられます。 この伏線を回収できる方法が『防災活動』であり「備え・構え」というものだと考えられます。 ところが、伏線回収方法を誤ると人生のミスリードとなり、災害に見舞われた時にケガをしたり、最悪は命を落とすことになるのです。 しかしながら災害というものは、襲ってくるか?来ないか?という二者択一ではなく、襲って来たが再三再四襲ってくる(人間の寿命のなかで何度も襲われる)。 逆にまったく襲ってこない(襲ってくる期間のスパンが人間の寿命より永いことで襲ってこないと勘違い)という、とても不確定なものが災害なのです。 ここで多くの人は、襲ってくる確率が低いのであれば、備えなくても良いかなぁと思ってしまうようです。 そこをタチの悪い災害は『油断した人』を狙ってきます。 その油断をカバーする目的で生み出されたものが、リスクマネジメントといわれる事前策(事前対応)で「事故やリスク情報を収集・分析・評価し、優先度が高いものから対応する」という防災・減災です。 これは阪神・淡路大震災以降で活発に広がりを見せました。 でも、ある一定水準以上には意識の広がりを見せていません。 やはりそこには『襲ってくるか、襲ってこないか』という二者択一意識が邪魔をしてしまうのです。 そこで我々の意識もアップデートが必要だと考えて意識改革がはじまっています。 それは、クライシスマネージメントといわれるもので、事後策(準備・対処・回復)の危機管理です。 『危機は必ず発生するものという前提にもとづき考える』『機能不全(人や機械・設備などが)に陥ることを覚悟の上で初期対応や二次被害の回避を行うこと』であり、既存のマニュアルでは対処できない重大事故に備えて対応するものです。 言い換えると『必ず襲ってくる』と考えることです。 特に現在の地球の状態を考えれば、トンデモナイことが、今!襲ってきても不思議ではありません。 それほど、気象も地象も現代人から考えると『異常な状態で推移している』と考えられます。 ただし、闇雲に怯える必要はありません。 あなたが必要だと考える正しい情報を得ることができていれば、危機(クライシス)状態に陥っても、マネージメント(処理・管理)することができるようになるのです。 ここには『自助』以外は存在しません。 「イヤそんなことはない!助けてくれる他者が声をかけてくれて避難行動に移るのだから、共助も同じだけ存在する」と仰る方もいるでしょう。 しかし!声をかけてくれたことで避難をしようと判断するのは『あなた自身の決断』です。その決断力を養うのも『自助』であり、『自助努力』なのです。 そう、共助は自助が出来た上で生み出される副産物だと考えられます。 これは、寓話「アリとキリギリス」と同じなのです。 アリが日々自助努力したことで、なにも備えていなかったキリギリスの命を救うことが出来ます。 この話で大切なことは、キリギリスの命が助かって良かったねということではなく、寓話に描かれていない『次の年からキリギリスも冬の為に備えるようになった』ということが大切なのです。 「助かって良かったね。めでたしめでたし」で終わってはいけません。 意識改革で考えをあらためることが重要な『備え・構え』になります。 共助は、他者の自助努力の上に成り立つ副産物と考えなければ、今後も大切な命を失うことが続いてしまうと考えられます。 もう一点重要なことが話の中に隠されています。 それは!キリギリスも頼ることのできる人を日常の生活の中で『アリさんだ』と情報を得ていたのです。 その情報はキリギリスの興味力が生み出したひとつの自助努力なのかも知れません。 合わせてアリさんを頼ろうというキリギリスの決断力・判断力も功を奏したと考えられます。 「どこかの誰か助けてくれるだろう」と油断していれば、命を落としていたでしょうね。 『自助は共助の副産物』であることは、皆さまに伝わりましたか?でも自助は何をすれば良いか判らない方も多いでしょう。 何から始めれば良いかといえば『あいさつ』です。 『あいさつ』を通してコミュニケーションという情報交換から、クライシスマネージメントを普段の生活の中で、学び身につけることができるようになるのです。 皆様、今年も防災活動にご協力よろしくお願いします。 次回へ、つづく・・・ |