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2023年5月号 |
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普段の生活の中から生活防災の学びが見つかります。 今月はNHK連続テレビ小説『らんまん』から防災の学びをご紹介します。 主人公・万太郎のモデルとなっているのが、高知出身の植物学者、日本の植物分類学の父と呼ばれた異才の人『牧野富太郎』博士(1862~1957)。 「植物は自分の恋人」と話し、植物採取にも正装して出向いたという博士の“牧野イズム”は多くの人に影響を与え「雑草という草はない」「草を褥(しとね)に木の根を枕、花と恋して九十年」などの名言があります。 前月に続き、登場人物の素晴らしい言葉から防災力向上のヒントが沢山見つかるので、防災に絡めてお話しさせていただきます。 坂本龍馬の言葉。 『生まれてこん方が良かった人はひとりもおらんぜよ。いらん命はひとつもない。この世に同じ命はひとつもない。みんな自分の務めをもって生まれてくるがじゃき。己の心と命を燃やして何かひとつ 事を成す為に生まれてくるがじゃ 誰に命じられたことじゃない。己自身が決めてここにおるがじゃ。おまんも大きゅうなったら何でもできる。望むものになれるがやき、さあ望みや!おまんは何がしたいがぜ?』 人は何か事をひとつ成す為に生まれ、人それぞれに『役目』があるということです。 防災活動では、つい忘れがちにされてしまうのですが、実はトテモ大切なことがあります。 自分が防災活動を通して『何がしたいか?』なのです。 誰かに教わったままの全国一律の防災をするのではなく、災害が襲ってくるから防災をするわけでもありません。 自分ができることを探し、自分で責任を持って覚悟を定義せよということです。 名教館学頭・池田蘭光先生の言葉。 『米蔵ができれば飢饉が減り、薬を完備すれば病が治る。それ故、草の一本さえ疎かにはしない』 これは当たり前のことですが、この当たり前が理解されていないのが現代社会です。 でもこれは防災の基本形『備えあれば憂いなし』ということです。 『森羅万象には理由がある。草花は季節ごとに生える、なんでそうしゆる、そもそも季節とは何じゃ、なんで朝と夜がある、花はなんで匂う、実はなんで落ちる、草花は各々好んだ場所に生える、なんで山があり、川がある、川は海となる、海の向こうには何があるか』と問いかけに 生徒が「異国があります」と答えると 『異国を知るには、地理も気候も言語も違う、どうする?』と問いかけ直します。 答は『学び、学べ』ではないでしょうか。 知らないことを知るには、学ぶことが重要だと考えます。 その為にも、まずは興味を持つことが大切なのです。 池田蘭光先生が仁淀川を目の当たりにしての言葉。 『自然の力は人より大きい、それを封じ込めることはできん』。 生徒が「では共に生きるにはどうしたらええがでしょう?」と尋ねると 蘭光先生は笑みを浮かべながら頷きました。 生徒達に『考えろ、学べ』と仰りたいのでしょう。 生徒自身が自分で責任と覚悟を持って考えることの重要性を語られているこの場面。 『防災』というものの根本的な学びのスタートを表現された場面ではないだろうかと考えます。 自然の振る舞いと共存する必要性を説いたものであり『逃げたり、他人事にしてはいけない』という自分事とせよ!ということなのです。 ジョン万次郎(中濱万次郎)の言葉。 ここでは難しい単語が現れます『自由』。 『今となっては自由を憎む。捕鯨船の上では自由と自立。人の一生は短い後悔せんように』 自由とは、決して身勝手な振る舞いをすることではありません。 自分が責任と覚悟を持って自立することなのです。 だから自由に考えることは、実際にはトンデモナク難しいものであり、自由を得るには、自分という小さな殻の中にある世界ではなく、殻の外のすべてで通用する、いわば『言語』ではないでしょうか。 でも『自由』とは、とても厄介な人の振る舞いなのかも知れませんね。 主人公・槙野万太郎の言葉。 『行ってまいります』 何気ないこの挨拶に大きな覚悟とお互いの労りがあります。 その返す言葉には『身体に気を付けて』。 この挨拶が自分の今後存在する場所を明らかにして『頑張ります』という心の強い想いが隠れています。 更には「ただいま、おかえり」と繋がる未来もあるのです。 お互いに「ただいま、おかえり」と笑顔で話せる土産話に、また次も楽しい話を探しに行こうという希望と決意にもなるのです。 楽しい土産話は、語り手も聞き手自身もお互いの記憶に強く焼き付くものです。 だからこそ『楽しく』が大切なことなのです。 挨拶から主人公は自分の歩むべき道が見えたと考えられます。 人と出会い、人と語り、人に育てられ、人と歩む道を見つける。 これは『地域防災、地域活動』も同じです。 好きなこと、興味のあるものからはじめることがトテモ大切です。 ドラマは序盤 まだまだ学ぶものが沢山現れそうです。 それらを見つけることも楽しく防災の学びに繋がります。 |