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テキストで直接読める「防災だより」

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2024年04月号
 2024年04月号の音声読み上げができます。
『南海トラフ巨大地震』その3
地震が起きると様々な周期の揺れ(地震動)が発生します。
ここでいう「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間のこと。
南海トラフ地震のような規模の大きい地震が発生すると、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が発生します。
このような地震動のことを長周期地震動といいます。
どの建物にでも固有の揺れやすい周期(固有周期)というものがあります。
私たちの住む加古川グリーンシティも棟により形状が違うので揺れやすい周期も違います。
立地条件だけではなく、地震が発生した場所により揺れの伝わる方向やその地震の地震動の「波」の周期によっても、発生する被害は大きく変わります。
それが地震動の波の周期と建物自体の固有周期が一致する共振で、建物が大きく揺れることになるのです。
高層ビル等、高い建物の固有周期は、高さの低い建物の周期に比べると周期が長いために、長周期の波と共振しやすく、共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れます。
また、その揺れでは、高層階の方がより大きく揺れる傾向があります。
長周期地震動により高層ビルが大きく長く揺れることで、室内の家具や什器が転倒したり、普段は動かせないようなコピー機のような重量物であっても大きく移動したりします。
更には、高層ビルにはなくてはならないエレベーターが故障し使用不可になることもあります。
固有周期が1~2秒から7~8秒程度の揺れが生じる高層ビル内における地震時の人の行動の困難さの程度や、家具や什器の移動・転倒などの被害の程度から4つの段階に区分した揺れの大きさの指標を長周期地震動階級といい、長周期地震動階級毎の人の体感と室内の状況の関係性は以下の図のとおりです。
長周期地震動による緊急地震速報について 令和5年2月1日から、長周期地震動階級が3以上が予想される地域に、緊急地震速報が発表されます。
発表条件は「震度5弱以上を予想した場合」または「長周期地震動階級3以上を予想した場合」 発表地域は「震度4以上を予想した地域」または「長周期地震動階級3以上を予想した地域」 その時、身の守り方はどうすれば良いか? 緊急地震速報が震度により発表された場合でも、長周期地震動階級により発表された場合でも、取るべき防災対応は同じです。
各自が自分事とし率先して身を守る行動を取ることが大切です。
緊急地震速報が発表されたら、まず、身を守る行動を取り、揺れが収まるまで最大限の身を守る行動を続けましょう。
緊急地震速報のしくみ 地震が発生すると震源から揺れが波となり地面を伝わる「地震波」。
地震波にはP波(Primary「最初」)とS波(Secondary「二番目」)があり、P波の方がS波より速く伝わる性質があります。
一方、強い揺れによる被害をもたらすのは主に後から伝わるS波。
この地震波の伝わる速度の差を利用し、先に伝わるP波を検知した段階でS波が伝わる前に危険が迫っていることを知らせるのです。