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2024年09月号
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『南海トラフ巨大地震』その8
「初の南海トラフ地震臨時情報の発表!」について考えます。
8月8日16時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。
南海トラフ地震の想定震源域内であり、南海トラフ地震臨時情報を検討する基準(マグニチュード6.8程度以上の地震が発生)に達したことから、南海トラフ地震臨時情報・調査中が発表され、即時、有識者からなる「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」が開催されることになりました。
この地震の発生に伴い、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が、平常時に比べて相対的に高まっていると考えられたことから、8月8日19時15分に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表しました。
地震の発生後、南海トラフ地震の想定震源域では『プレート境界の固着状況に特段の変化を示すような地震活動や地殻変動は観測されていません』との見解により、地震の発生から1週間経過したことから、8月15日17時をもって、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発表に伴う政府としての「特別な注意の呼びかけ」を終了しています。
内閣府からは、『南海トラフ沿いでは、いつ大規模地震が発生してもおかしくないことに留意し「日頃からの地震への備え」を引き続き実施してください』と伝えられた。
さて、皆さまは臨時情報(巨大地震注意)を聞いて、何をどのように行動されたでしょうか?多くの人は、テレビ・新聞・ネットなどからの情報を、普段より注意深くご覧になられたのではないでしょうか? さて、この南海トラフ地震臨時情報は、2019年に防災対策として運用が始まりましたが、コロナ禍と重なったこともあり、一般的に周知が進みませんでした。
この『南海トラフ地震臨時情報』は、とても面倒な話なので、市民の方々に丁寧に説明しない限り理解が得られないとも考えられていたのです。
しかしながら『南海トラフ地震臨時情報』を今回は実践的に周知することになり、仕組みそのものを正しく知らせる好適な機会になったことは間違いありません。
『巨大地震注意』以外に『巨大地震警戒』という情報があることや、『南海トラフ地震臨時情報』の発表なしで巨大地震が突発的に発生する可能性も伝えられた絶好の機会になったと考えられます。
しかしながら、そんな呑気なことをいっていられるのは自分たちが実際には被害を受けていない、被災していないから語れる話であって、被害を受けた方から考えれば『大変なことで、実際にもう起こってしまったのだ!』ということです。
「何も起こらなくて良かったね」ではなく、実際には被害は起こったのだということを忘れてはいけません。
事実として、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、初となる南海トラフ地震臨時情報が発表され「巨大地震注意」が発表された。
しかし専門家の方々は「『注意』が出たからといって確実に地震が起きるわけではないが、すぐに命を守れる行動ができるような準備をしてほしい」と訴えたのです。
国としては応急対策を指示し、南海トラフ地震臨時情報を「正確に発信すること」を努力したようです。
また、気象庁からは「注意」が発表された場合に「事前避難の必要はないが、日ごろからの地震の備えの再確認に加え、すぐに避難できる準備をする」などと発表されました。
この臨時情報の制度設計に携わった福和伸夫・名古屋大名誉教授は「住んでいる場所の(予想される)災害の種類によって何をすべきか考えるべきだ」と指摘しています。
「津波避難の時間がない場所に住んでいる方は、避難の仕方について改めて確認してほしい」とも述べられています。
更に、すぐ行うべき対策として、家具の固定や避難場所・経路、家族との連絡方法の再確認、携帯電話やラジオの充電などをあげられて「日ごろから備えておくべきことだが、改めて確認してもらいたい」と求められました。
あわせて、学校や仕事を休む必要はなく、海沿いなどでの作業も「緊急地震速報があるおかげで、ある程度安全にできる」と説明され「1週間は注意深く、しかし、普段通りに過ごしてほしい。
今後、何度も(臨時情報が)出る可能性があるので、あまりいろいろな活動を止めてしまうのはよくない」として冷静な対応も呼び掛けられました。
多くの専門家がメディアに出られ丁寧に説明をなされましたが、放送する側や視聴者の聞き手側の「事前の情報不足」もあり、行政においても避難所を開設するなど、本来の決められた動きとは違う過剰な行動に動いた人も少なくはなかったようです。
皆さま!南海トラフ地震臨時情報はあくまでも「お知らせです!」今にも地震が起こるという予知・予報ではありません。
正しくは「事前避難の必要はないが、日ごろからの地震の備えの再確認に加え、すぐに避難できる準備をする」心の防災スイッチをオンにしましょうということなのです。
オンになっていることで動きが迅速化できるメリットがあるのです。