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2025年02月号 |
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『南海トラフ巨大地震』その13「想定の整理」
南海トラフ巨大地震が発生したら、揺れから始まり、何が並行して起こるのかを考え「22分類」しました。 今回は『⑥ 火災』から考えます。 人は、約二百万年前から数十万年前の間で「火の利用」が始まったといわれています。 始めは、山火事などから、火のついた木の枝などを持ち帰り、絶やさないようにしながら利用したともいわれています。 持ちかえった火は貴重なものであり、着火方法が確立されるまで守り共用することとなります。 これにより人類の集団化が進んだと考える説もあります。 なまで食べるより美味しく食べやすくなることを学び、火を使って調理するようになったともいわれています。 また人は、火の明るさを利用することで夜も安全に活動できるようになり、火を身近におくことで、獣や虫などから身を守れるようになったともいわれています。 人の歴史は、つまりは火との付き合いの歴史といえますが、『火の恐ろしさ』は数万年経ても克服できていません。 人の油断で『火災』となってしまいます。 さて火災の対応は、本来『早期発見』『初期消火』『防火』と昔と変わらず当たり前のことです。 ・火は小さな内に消し止める・火が出ないようにする ・日頃から防火意識を持つ・種火が無ければ大火にならない・火の用心・火の元に注意 ところが、一度小さな火でも着くと、みるみるうちに大火になってしまいます。 そうならぬようには! ・消火する意識を持つ・初期消火力を身に付ける ・消火器の使い方を覚える・消火器の訓練 ビルやマンションならば ・屋内消火栓の使い方・火災報知器の鳴動方法 話は少しズレますが、火災報知器の停止方法を知らない人が多いようです。 更には、火災報知器が鳴り続けると『うるさい!止めろ!』と言う人が多いのも事実です。 火災報知器の鳴動が止まらないということは『なぜ鳴動しているのか原因不明なのだ』ということであり、『火災の可能性が高い』と考えなければなりません。 また、鳴動を止めようとして別な火災報知器のボタンを押すというトンデモナイことが起こっています。 こうなると同時多発火災の可能性があると考えられてしまうのです。 火災報知器が鳴っていたら、なぜ鳴っているのかに興味を持つことが重要です。 『安易に停止すること』は、他者の命だけではなく、自分の命をも危険にさらすことになるのです。 火は小さなうちに消す!出火しないように心掛ける!発火する可能性のあるものを知る!ということも大切な防火意識になります。 消火器の訓練は、最低一年に一回の生活文化としましょう。 実際の消火訓練に参加できなくても、YouTube等の動画サイトに消火器の使い方や消火訓練もアップされています。 加古川グリーンシティ防災会もYouTube公式サイトがあり「正しい使い方」「間違った使い方」等も公開、視聴するだけで消火訓練となりますので「YouTube視聴で消防訓練」に参加しましょう。 『誰かが消すではなく、自分が消す!』この意識をしっかりと持つことが大切です。 火が小さければ、素手でも消せますが、数秒遅れれば、水や消火器等が必要となります。 更に数分後には、消防隊でしか消せなくなり、大火になれば消防隊でも消せなくなるのが「火」なのです。 「火は小さな内に!」これが鉄則です。 火災時の避難についてマンションでは『二方向避難』が、建築基準法施行令第121条で義務付けられています。 マンション(共同住宅)などの場合、玄関だけでなくベランダや階段などから外に出られるようにすることを意味します。 避難経路を確保できない構造の場合には、避難器具として避難はしごなどの用意が必要です。 火災が発生した場合、経路が一つしかないと、人がその出入口に殺到します。 避難が遅れるだけでなく「押されたり踏まれたり」して大ケガにつながります。 最悪の場合は死亡に至ります。 このような二次被害を防ぐために、二方向から避難できる出入口の設置が義務付けられています。 劇場、ホテル、病院など多くの人が集まる施設も二方向避難の対象です。 二方向避難が義務付けられていなかった過去には、一つの避難経路しかないビルで、50人以上の死傷者を出した悲惨な過去を繰り返さない為にも、二方向避難は非常に重要な考え方なのです。 【災害時に避難経路を確保するために!】 ① 共用部分やベランダに荷物を置かない ベランダに荷物があるとスムーズに避難ができません。 共同住宅では通常の玄関ともう一方の二方向避難経路としてベランダが設置されていることがほとんどで、自分が避難できないばかりか他の人の避難も困難になります。 ② スムーズな避難のために避難経路を確認しておく 避難経路を把握していないと避難が遅れます。 ベランダや非常階段など避難経路を確認しておき、万が一の際に備えておきましょう。 ③ 避難器具の使い方を理解する 避難経路を確保できない場合、避難器具として避難はしごが用意されているケースもあります。 防災だよりで消防訓練 今月は『消火器と屋内消火栓』を学び直そう! 消火器は火災が発生した場合の初期消火に欠かせないアイテムです。 火災は適切な方法で初期消火を行うことで被害を最小限に抑えられます。 初期消火のためには「消火器を設置しておくこと」「正しい使い方を知っておくこと」が大切です。 火災が起きたらすぐに消火できるよう消火器を設置しておくだけでなく使い方を知っておくことも重要です。 今回は消火器の使い方を4ステップで解説します。 ① 消火器のレバーの下側を持って運ぶ 火災を発見したら、すぐに初期消火を始めよう。 消火器を持って火元の近くまで移動します。 消火器を運ぶ際は、消火剤を噴射してしまわないように、レバーの下側を持ちます。 火元に近づくときは、できるだけ姿勢を低くして、炎や煙を避けながら焦らずゆっくりと近づくことが重要です。 室内の火災の場合は、自分が逃げやすいよう出口に背を向けて消火します。 屋外の火災の場合は、風上から噴射するように注意が必要です。 ② 消火器の安全栓を引き抜く 火元にある程度近づいたら、消火器の上部に付いている黄色い安全栓を引き抜きます。 火元からの距離は、炎の高さの2〜3倍を目安としましょう。 住宅用消火器の場合、放射距離は2メートル程度なのであまり離れると効果がありません。 ③ 消火器のホースをはずして火元へ向ける 安全栓を抜いたら消火器のホースをはずして火元に向ける。 炎の上部ではなく火元に向けるのがポイント。 噴射した時に勢いでホースの向きが変わらぬようにしっかりと持ちます。 ④ 消火器のレバーを強く握って噴射する ここまでの準備ができたら、消火器のレバーを強く握って消火剤を噴射しましょう。 住宅用消火器の場合、放射時間は10〜15秒程度です。 火元を狙い手前からホウキで掃くように薬剤を火元に被せるイメージで噴射しましょう。 加古川グリーンシティ防災会の不変の理念は「自分の大切な人の命を守ること」です。 その理念により防災会では、コロナ禍において人の集まる防災訓練は控えさせて頂いていましたが、今年からは防疫対策も考えながら、元のように人が集まる訓練「楽しく防災活動をやろう!」を再開します。 平行して、どこでもできる「デジタル防災訓練」を同時進行します。 お楽しみに! 「デジタル防災訓練なんて知らなかった?!」と仰るあなた!右のQRコードを読み取ると防災会YouTubeチャンネルから訓練ができます。 今月のオススメはKGC防災訓練の「消火器の使い方・成功と大失敗」。 あなたは失敗せずに消火器使えますか?笑い楽しみながら防災訓練をやりましょう! |