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テキストで直接読める「防災だより」

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2025年05月号
 2025年05月号の音声読み上げができます。
『南海トラフ巨大地震』その15「想定の整理」 南海トラフ巨大地震が発生した場合、揺れから始まり何が並行して起こるのかを考え「22分類」しました。
今回はライフライン『⑨ 停電』を考えます。
電気は、現代社会を暮らす上で当たり前に存在するものと考える人が多いようです。
現状ではソーラーパネルが設置され、太陽光で発電する住戸も多くなりました。
しかし大半は電力会社から買うのが多いようです。
その当たり前が当たり前でなくなるのが『停電』。
情報を入手するには、テレビやラジオ、主流はインターネットです。
インターネットは様々な機器に良い意味で入り込んでいます。
パソコン・スマホ・タブレット・テレビ・防犯カメラ・車・生活家電機器・他様々な情報通信機器に接続されており、その大半が電力に依存しています。
ひと昔前の『停電したら冷蔵庫を開けるな!であったのが『停電に備えて非常電源設備・バッテリー』と、災害になる前に『備蓄・備える』に変化しました。
近年では備蓄バッテリーの価格も下がり、防災備蓄の為だけではなく、キャンプ等イベントで日常的に使用している人も多いようです。
この『備蓄・備える』は、普段の生活の中に上手くそのサイクルを組み込むことが良いと考えられます。
そのサイクルは、その人の生活スタイルや生活文化に寄り添うカタチとすべきだと考えられ『自分が責任と覚悟を持って、自分で備える方法の確立』が重要となっています。
キャンプ等に行かない人も備蓄バッテリーを普段の生活にどう使うかを考えてみるのも良いでしょう。
つぎにライフライン『⑩ガス供給停止』を考えます。
ガスは基本的に二種類あり『都市ガス』と『LPガス(ボンベ式)』です。
地震災害後に供給停止になるのは『都市ガス』です。
『LPガス』は住戸毎に設置されたボンベから供給するので、機器の破損がなければガスの供給停止とはなりません。
都市ガスは、一度供給停止になると再開するまでには安全確認などで時間が必要です。
また一度壊れた埋設配管は大きな工事が必要となります。
今現在でもLPガス供給エリアは、都市ガスの約20倍あり、全国約4割の世帯がLPガスを利用しています。
いずれのガスも便利なものであり、無くてはならないライフラインです。
『都会の地震災害』と『地方の地震災害』では、この部分が大きく違うようです。
どちらを選ぶかはあなた次第ということですが、しかしながらマンションでは個別に都市ガス・LPガスと選べないのが現状です。
続いてライフライン『⑫ 通信遮断』について考えます。
人の不安を煽る要素のひとつに『情報の遮断』があります。
通信遮断です。
遮断には2つあり、ハード遮断・ソフト遮断です。
『ハード遮断』は、固定電話や携帯電話、最近ではタブレットやパソコンの通信遮断です。
通信網が途切れるという「線」ではなく「網」が途切れるという大変なことが起こります。
人と人が機器を通して繋がらなくなるのです。
当たり前のことが当たり前でなくなった状態です。
自分の周囲で何が起こっているのか判らないのです。
すると人は、それらの不具合を「誰かのせいだ」「誰か何とかしろ」「私は悪くない」と、他のせいにする人が続出しパニック状態を引き起こします。
冷静に考えれば『どこかの機器が壊れただけ』で待っていればいつかは回復します。
それが待てない人が多いようです。
これは情報を他の媒体だけに依存している結果と考えられます。
自分から何かのカタチで発信する他の手段を構築していないということです。
それは放送局を持てとか通信会社を持てというものではありません。
ハードがダメなら『ソフトを起動せよ』ということです。
そのソフトを普段の日常生活の中で構築できていない人が多いようです。
『醤油や味噌の貸し借り』があった時代は、個人の社会ではなく、地域の社会が間違いなくありました。
現代社会でも目にし耳にするのは『地域が子どもを育てる』『地域で子どもを育てる』。
しかし、この意味を取り違えている人が多い。
「親が子どもを育てないから、地域で子どもを育てる」という意味ではありません。
『地域の人々が子どもを支え、育んでいくこと』です。
地域と関わりながら子育てをすることで、次のメリットがあるといわれています。
『人との関わりが増え、社会性が育まれる。
新しい価値観や多様性を学べる機会が増える。
地域に魅力を感じ、愛着が生まれる。
人を思いやる心が育まれる。
地域の人材を活用することで、教育活動を充実させることができる。
子どもたちを多くの目で見守ることができる』等々。
これらに触れて育った人は、ソフト遮断に陥らないといわれています。
言い換えれば『手を繫ぐことの出来る人がいる』ということです。
そのソフトの構築は簡単ですが、少しの覚悟が必要です。
それは『挨拶ができるかどうか』ということです。
とても簡単に見えて挨拶は、最初のハードルが高いのですが、やってしまえば「これは簡単」と思えます。
しかし一回目は気合が必要。
回数をこなすことで会話になり仲間となります。
すると情報遮断・通信遮断となっても、繋がる人がいる。
そうなれば、通信遮断でも不安要素を大きく下げることができ、より正しい情報が入手できます。