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テキストで直接読める「防災だより」

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2025年12月号
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『南海トラフ巨大地震・想定の整理』
南海トラフ巨大地震が発生した場合、揺れから始まり何が並行して起こるのかを考え「22分類」しました
今回は『㉑交通機関』を考えます
災害時の交通機関の対応は各社違うようですが、各社同じ目標を掲げています『利用者の安全確保第一』ということです
「少しぐらいのリスクなら動かしちゃえ」とはならないのが現代社会の考え方です
リスクがあるならば、リスクが取り除かれるまで動かさないということです
飛行機・新幹線・船舶・電車・バスなど、公共性の高いものほどルールは厳しいようです
速度の違いで止まる距離は大きく違います
ところが人は遅延したり運休すると、自己都合が爆発しイライラを他人にぶつける人が出てきます
なぜでしょう?昔のことわざに『急がば回れ瀬田の唐橋』があります
かつて京都へ向かう近道だった琵琶湖の渡し船(矢橋の船)は、強風で遅れたり転覆したりする危険があり、多少遠回りでも瀬田川に架かる瀬田の唐橋を渡る方が安全で確実だったということに由来
室町時代の連歌師・宗長が詠んだ「もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋」という歌に根拠があります
各人の性格にもよるのでしょうが、多くの人はショートカットを選ぶ傾向にあります
それはなぜか?目標に向かって、真っ直ぐ進んだ方が距離も時間も近く短いという思い込みから生まれるものです
この話を実体験に置き換えると、阪神・淡路大震災の直後を思い出します
仕事の関係でどうしても東京に行かなければならなかった
まだ地震後二週間程度でした
山陽新幹線が不通なので、伊丹空港から飛行機で東京行きを選びましたが、加古川~伊丹まで12時間以上かかりました
何度も何度も航空会社に電話して予約変更しながら、やっとの思いで東京へ到着
仕事を終わらせて帰りの飛行機の予約
航空会社さんから衝撃の言葉が!『岡山空港にされてはどうですか?』と言われたのです
言われた通りに岡山空港飛び、岡山空港からは90分程度で加古川到着しました
行くときには、頭の中では『東方面しか見ていなかった』ということ、『西を向けば90分で到着していた』のです
この話から考えられるのは、物事は『俯瞰してみよう』ということです
考えている自分をも重ね合わせて俯瞰してみることです
すると違う答が見つかるかも
さて、そもそも『無理してでも絶対に行かなければならなかったのか?』ということになるのです
立ち止まって考えることの大切さを知らされた話です
特に災害時は、思考が暴走します
その思考にブレーキをかけることのできる『知識と知恵』を育みましょう
それも防災です
令和6年(2024年)8月、宮崎県で震度6弱を観測した日向灘を震源とする地震(M7.1)の発生を受けて、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した
その時、記憶に新しく正確な情報が残る日本の大動脈『東海道新幹線』のお話です
臨時情報発表後のJR東海は、南海トラフ地震・震度7以上が想定される区間『三島―三河安城間』の最高速度を285km/hから230km/hに減速し運行しました
『減速運転で生じる遅れは約10分
』1日あたり483本(8月9日)の列車に設定した
帰省ラッシュで大きな影響、しかしながら『新幹線の脱線・転覆』があってはならない、社会経済活動への影響を考えれば、安易な減便・運休もできないと考えたようで、JR東海は難しいかじ取りを迫られた
減速運転の速度を230km/hの根拠理由としてJR東海広報室は「指定公共機関として『安全を確保すること』、『社会的使命に応えて極力移動機会を提供すること』という当社の方針、当社の地震に対する備え、国のガイドラインを総合的に勘案した」と説明し明確な根拠には言及しなかった
新幹線の減速度を55km/hとすると停止するには? 285km/hで約1分20秒『約3,200m』を要す
230km/hで約1分5秒『約2,000m』を要す
一般論として速度を落とすほど早く短く停車できるのは間違いない
しかしながら「極力移動機会を提供」のJR方針
運休やダイヤ乱れを防ぐためには全線で『10分程度の遅れ』が許容限度とのことです
さて『減速運転で生じる遅れは約10分』この10分が様々な歪みを起こして、遅延が長くなる
これは当たり前のことだが、人は『生じる遅れは約10分』に辛抱ができない
なぜか?『利用者の安全確保第一』が理解されていないからだ
それはなぜか?人それぞれ思いが違う
その思いをひとつにすることは災害時であってもできない
人類の課題かも知れません
次に高速道路は、通行止になる場合が多いと想定される
道路の安全を確認してからの再開となるが、これは高速道路に限らず何れの交通機関でも職場でも同じはずです
『安全を確認して、安全確保完了後に再開』
当たり前のことだが、これに関しても『待てない人がいる』
自分最優先の人だ
ところがこの人達は何かが起これば、企業側に責任を押しつける
『命よりも最優先のこと』って何があるのでしょうか?きっと優先順位が間違っておられるのかも知れません
地震で壊れる構造物を造ることが間違っている!と語る人もいます
手抜き工事や耐震性がない事は論外だとして、自然の力が人知を超えるのは、史実から鑑みても当たり前のことです
地域によって、場所により、襲いかかったパワーは違うのは当たり前
だから『点検』をしなければならないのです
阪神・淡路大震災の時に、阪神高速道路が倒れ、新幹線の高架橋が外れ、トンネルは崩れ、崖沿いの道路は崩落し、道路には亀裂が走り、建物は傾き倒れ護岸は崩れ、アーケードは落ち、電信柱が沈み、逆に下水道が持ち上がる
マンションやビルは階数が変わるように押し潰された階が不思議に存在した
考えれば、人の造った構造物は自然の驚異に簡単にも操られてしまう
 最後に、阪神・淡路大震災直後の記憶の話
早朝、神戸のポートアイランドへは車が通れました
道路規制前
しかしながら私の車は1m程度落下
ポートアイランドに渡る橋が外れていた
これは道路規制前の話
帰りはそこを通ることができなかった
その夜、帰る前にポートアイランドにある歩道橋に駆け上がった時『止まれ!』という声で足を止めた
足元には、その先が無かったのだ!今思い出すと恐ろしいが『止まれ!』の声の主は判らなかった
若き頃の思考の暴走が、歩道橋を駆け上がったのだろうと考えられる
やはり安全確認・安全確保は大切なこと
自分でできないなら、できる人がやるのを『待つ』これが大切ではないでしょうか? 安全は、私の知らない何処かの誰かが担ってくれています
そこに感謝をすれば『待つこと』は自分ができる最大限の安全確保・危機管理となるのです